大阪市立美術館

いろとかたちの物語り ~東洋の美術 ~

会期
平成13年6月2日(土)~6月24日(日)
観覧料

一般600円(500円)、高大生400円(300円)   中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方、大阪市内在住の65歳以上の方は無料[要証明]   ※カッコ内は20名以上の団体料金

展覧会概要

本展は、社寺や個人のご所蔵品から大阪市立美術館が長期お預かりしている寄託品と当館の館蔵品の中から、国宝・重要文化財・重要美術品をはじめとする優品・逸品を選りすぐって一堂にする企画です。それらの作品は常設展のなかで随時展示されて参りましたが、まとまって一度に鑑賞できるまたとない機会といえます。また、今回は、「いろ」と「かたち」という美術を楽しむ2つのアプローチによって、「中国の彫刻」「中国絵画-宋元画-」「日本の工芸」「近世絵画」など12のテーマにそって、東アジアに花咲いた美術作品の魅力をご覧いただこうと考えています。  「いろ」と「かたち」という言葉は、本来は外見にあらわれた色調と形態とを示しています。色彩 の豊かさや深み、造形的な美しさやここちよさなど、作品の発する美的な魅力の根幹は、「いろ」と「かたち」という2つの側面 からとらえることができると考えられます。また、光のあたり方や見る人の視点、展示する場所や作品相互の配列のありさまなど、陳列の方法によっても、作品は「いろ」と「かたち」を変容させ、さまざまな表情を見せるようになります。さらに、本来の用途や作品をとりまく空間との対比、作品と関わってきた人間の営みにまで思いをめぐらすことによっても、作品の表情は刻々と変化します。  すべての作品は、さまざまな思いを込めて作られ、尊ばれ愛され大切に守られ、時間による風化に耐えてきました。信仰の対象として祀られてきたもの、日々の生活の中で愛玩されてきたもの、土中に埋没しながらも再発見されたものなど、長短はありながらも歴史を経た多彩 な作品が私たちの目の前に姿を現しています。大阪市立美術館は、開館から65年間の活動の中で中国美術をはじめとした特色ある館蔵品を収集し、また近畿を中心とした社寺や個人が所蔵する優れた作品を寄託品としてお預かりしながら、様々なテーマの展覧会を開催してまいりました。そうした作品が不思議な「えにし」によって大阪市立美術館に集まり、時空をともにして一つの展覧会を構成します。こうした作品の集積とその収蔵の経緯による、コレクション総体の「いろ」と「かたち」という観点からも、美術を見る楽しみを広げることができます。そして、最終的には美術作品を見る人の心のありようが、「いろ」と「かたち」の認識には大きく作用します。心の清明なひととき、「いろ」と「かたち」が織りなす、美術作品の多面的な魅力をお楽しみ下さい。

主な出品作品

如来坐像(にょらいざぞう)

如来坐像(にょらいざぞう) 北魏時代・天安元年(466) 大阪市立美術館・山口コレクション

墨蘭図(ぼくらんず)

墨蘭図(ぼくらんず) 鄭思肖(ていしょう)(1241~1318) 元時代・大徳10年(1306) 大阪市立美術館・阿部コレクション

重要文化財 阿弥陀聖衆来迎図(部分)(あみだしょうじゅうらいごうず)

重要文化財 阿弥陀聖衆来迎図(部分)(あみだしょうじゅうらいごうず) 平安時代後期 滋賀・浄厳院

国宝 菊唐草蒔絵螺鈿 手箱(きくからくさまきえらでん てばこ)

国宝 菊唐草蒔絵螺鈿 手箱(きくからくさまきえらでん てばこ) 南北朝時代 和歌山・熊野速玉大社

燕子花図(かきつばたず)

燕子花図(かきつばたず) 尾形光琳(おがたこうりん)(1658~1716) 江戸時代 大阪市立美術館

唐犬(からいぬ)

唐犬(からいぬ) 橋本関雪(はしもとかんせつ)(1883~1945) 昭和11年(1936) 大阪市立美術館

関連イベント

講演会

時間 / いずれも午後1時30分~3時(午後1時開場)
場所 / 当館1階 第14陳列室
定員 / 100名
※ 聴講は無料ですが、本展の観覧券が必要です。

6月2日(土)

大阪市立美術館  コレクション・ガイド
講師 / 朝賀 浩(当館学芸員)

6月9日(土)

やきものにみる『いろ』の意味
講師 / 守屋 雅史(当館主任学芸員)

6月16日(土)

ほとけのすがたができるまで
講師 / 齋藤 龍一(当館学芸員)

6月23日(土)

美術館 現在・未来
講師 / 蓑  豊(当館館長)

主催

大阪市立美術館

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