大阪市立美術館

白と黒の競演 ―中国・磁州窯系陶器の世界―

会期
平成14年10月1日(火)~12月8日(日)
観覧料

一般 1200円(1000円)
高大生 900円(700円)
中学生以下、身体障害者手帳等をお持ちの方は無料
※カッコ内は前売・20名以上の団体料金
※その他の減免規定についてはお問い合わせ下さい

展覧会情報

本展は、中国河北省磁県(かほくしょう じけん)に所在する磁州窯(じしゅうよう)をテーマとした国内初の展覧会となり、中華人民共和国河北省邯鄲市(かんたんし)文物局が発掘調査を行い、学術的にも貴重な磁州窯の窯跡から出土した陶片約170点と、国内に所在する重要文化財5点、重要美術品5点を含む伝世の名品約180点から、磁州窯系陶器の作風の展開を位置付けます。  磁州窯は、10世紀中頃、中国の五代末期から北宋時代初頭に操業を開始しました。日用の陶器を製造する民窯でしたが、北宋・金・元・明の各時代を通じて様々な技術によって主として白地に黒い装飾を施した極めて繊細で美麗な作品を創出し、当時の人々に大いに好まれ、永きにわたって愛好されました。  この陶器の特色である白地に黒色で装飾された文様のコントラストは鮮やかで、洗練された文様形態とその美しさは、高度な美的センスに裏打ちされていることを示し、あわせて宋代陶磁器の優れた芸術性を証明するものといえます。  さらに、そうした芸術性は、様々な施文技術の不断の改良によって、人々のニーズに常に即した作品となって現れ、河南・山西・山東など華北一帯の民窯にも多大な影響を与え、数多くの模造品を生み出し、“磁州窯系陶器”を形成しました。  こうした磁州窯の作品は、わずかながらも平安~江戸時代の日本にも流入し、さらに明治以降、外来文化の受容の中で大量に輸入され、中国文化を好んだ日本人の磁州窯系陶器に対する評価を理解することができます。

主な出品作品

白地線彫魚子地 牡丹唐草文盤

(しろじせんぼりななこじ ぼたんからくさもんばん)

北宋時代 口径26.5cm 磁州窯系 個人蔵

白地掻落 唐花文水注

(しろじかきおとし からはなもんすいちゅう)

北宋時代 高さ20.4cm 磁州窯 東京国立博物館

白地黒掻落 龍文梅瓶

(しろじくろかきおとし りゅうもんめいぴん)

北宋時代 高さ40.5cm 磁州窯 兵庫・白鶴美術館

白地鉄絵 牡丹文吐魯瓶

(しろじてつえ ぼたんもんとろぴん)

北宋~金時代 高さ19.8cm 磁州窯 静岡・MOA美術館

白地紅緑彩 牡丹文椀

(しろじこうりょくさい ぼたんもんわん)

金時代 口径16.3cm 磁州窯系 個人蔵

関連イベント

講演会

時間 / いずれも午後1時30分~3時
場所 / 当館1階 講演会室
定員 / 150名
(当日、午後1時より先着順で整理券を配布します。)
※ 聴講は無料ですが、本展の観覧券が必要です。

10月5日

邯鄲市博物館副館長 馬 小青氏

10月26日(土)

当館館長 蓑 豊

111月16日(土)

当館学芸課長代理 守屋雅史

シンポジウム「磁州窯系陶器の発生と展開」

11月30日(土)

場所 / 天王寺公園映像館
時間 / 午前10時~午後4時30分
※事前申込みが必要です。
※詳細については日本経済新聞社大阪本社事業企画部(電話:06-6946-4104)にお問い合せください。

主催

大阪市立美術館、日本経済新聞社、河北省文物局

後援

外務省、文化庁

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