大阪市立美術館

2005年日本国際博覧会開催記念展  「世紀の祭典 万国博覧会の美術」 ~パリ・ウィーン・シカゴ万博に見る東西の名品~

会期
平成16年10月5日(火)~11月28日(日)
観覧料

一般1,300円(1,100円)、大学・高校生900円(700円) 中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方、大阪市内在住の65歳以上の方は無料〔要証明(原本に限る)〕   ※カッコ内は、前売り・20名以上の団体料金

前売り

平成16年8月8日(日)より前売り開始 主な発売場所 電子チケットぴあ、ファミリーマート(Pコード:685-475)、 ローソンチケット(Lコード:55743)、セブンイレブン、サンクス、ampm、サークルKほか主要プレイガイド

展覧会概要

大阪市立美術館では、21世紀最初の万国博覧会の日本開催を記念し、特別展「世紀の祭典 万国博覧会の美術~パリ・ウィーン・シカゴ万博に見る東西の名品~」を平成16年(2004年)10月5日(火)から11月28日(日)まで開催します。  本展覧会は、日本が初めて参加したパリ万国博覧会をかわきりに、19世紀後半に開かれたウィーン、シカゴなどの万国博覧会に出品され西洋諸国に驚きをもって迎えられた日本の工芸品と、万国博覧会を彩った西洋絵画・工芸品を、出品総数450件を超えるスケールで展観します。  世紀の祭典というにふさわしい、すさまじいまでのエネルギーに溢れた「19世紀の万国博覧会」の世界をご覧ください。 ■西洋と東洋の劇的な出会い  1851年、人類の英知を結集し、文明の到達点を示す万国博覧会がロンドンで初めて開催されて以後、19世紀後半は「万国博覧会の時代」といわれています。  日本もまだ江戸時代であった1867年のパリ万博に徳川幕府・薩摩・佐賀藩らが初めて参加、1873年のウィーン万博では、明治政府が参加し、万国博覧会の時代に突入していきました。万博への参加をとおして日本は西洋を貪欲に吸収しますが、この万博の会場で西洋に驚きの目で迎えられたのは、優れた技に支えられた日本の工芸品でした。日本の古美術が、西洋に新たな衝撃を与えました。  本展の第一部前半では明治前期の万国博覧会に焦点を定め、そこに出品された日本の工芸を”輸出工芸”と”古美術”という2つの面からご紹介します。あわせて海外のコレクターが蒐集した日本の工芸、日本美術に影響をうけて作られたジャポニスムの作品をご紹介します。 ■ARTとしての日本工芸  明治前期の工芸界は輸出工芸に席巻されていました。しかし明治十年代後半には輸出のしめる比重は急激に減少して行きました。1893年のシカゴ万国博覧会では、輸出品としての工芸から、日本の美術の水準を世界に問うものとしての役割が工芸に与えられます。万博出品のため、一流の職人が腕を競い、最高級の作品を作り上げていきました。工芸を美術に – シカゴ万博に出品された工芸は「絵画」に迫ることで、美術のカテゴリーに展示されたのです。そして、20世紀に向けて世界の工芸は、”アール・ヌーヴォー”をキーワードに新しい時代を迎えようとしていました。  本展・第1部後半では、19世紀末に工芸に与えられた新たな役割に注目し、様々な展開を示す工芸家たちの姿をご紹介いたします。 ■万国博覧会と西洋美術  万国博覧会の中で、美術は科学技術に劣らぬ役割を果たしていました。本展・第2部では、1855年から1900年にかけて5度開催されたパリ万博を中心に、万博が西洋美術の中に占めた位置に迫ります。1855年にはアングル、ドラクロワといった巨匠たちの回顧展が開かれます。一方、万国博覧会に対抗するように会場外で個展を行ったロダンを併せて配し、コンパクトに凝縮された「万博と美術」の鳥瞰図を織り上げます。

主な出品作品

第1章 万国博覧会 東西が出会った

明治前期の万国博覧会に焦点をあて、そこに出品された日本の工芸品を”輸出工芸”と”古美術”という2つの面から紹介します。

七宝諫鼓鶏形大太鼓【しっぽうかんこどりがたおおだいこ】

作者不詳 明治6年(1873年)頃 総高158.0cm メトロポリタン美術館 クロスビー・ブラウンコレクション 1873年ウィーン万国博覧会出品

重要文化財 褐釉蟹貼付台付鉢【かつゆうかにはりつけだいつきはち】

宮川 香山(初代) 【みやがわ こうざん】 明治14年(1881年) 高34.3cm 東京国立博物館 1881年第2回内国勧業博覧会出品

国宝 八橋蒔絵螺鈿硯箱【やつはしまきえらでんすずりばこ】

尾形 光琳【おがた こうりん】 江戸時代(17~18世紀) 高11.2cm 東京国立博物館 1873年ウィーン万国博覧会 古美術展示場に出品

籠目栗鼠蒔絵六角箱

江戸時代 18世紀 幅9.9cm ヴェルサイユ宮殿国立美術館 マリーアントワネット・コレクション

籠目栗鼠蒔絵六角箱(内部)

秋草文ティーポット エミール・レーベル様式

フランス 1873年 高12.0cm ブイエ=クリストフル美術館、パリ

七宝波に太陽・月図燭台 エミール・レーベル様式

フランス 1873年 高60.0cm ブイエ=クリストフル美術館、パリ 1874年ウィーン万国博覧会出品

容器「日本の怪物の頭部」

エミール・ガレ フランス 1876-78年 高13.5cm 北澤美術館、長野

第2章 工芸をARTに 1893・シカゴ そして20世紀へ

19世紀末に工芸に与えられた新たな役割に注目し、さまざまな展開を示す工芸家たちの姿を紹介します。

七宝桜花群鶏旭日図大香炉【しっぽうおうかぐんけいきょくじつずだいこうろ】

林 喜兵衛【はやし きひょうえ】杉浦 行宗【すぎうら ゆきむね】等合作 明治26年(1893年) 高216cm  1893年シカゴ・コロンブス世界博覧会出品

執金剛神立像【しつこんごうしんりゅうぞう】

岡崎 雪声【おかざき せっせい】 明治26年(1893年) 総高(含台座)320.5cm 早稲田大学界會津八一記念博物館 1893年シカゴ・コロンブス世界博覧会出品

日光祭礼図綴織壁掛【にっこうさいれいずつづれおりべかけ】

川島 甚兵衛(二代) 【かわしま じんべえ】 明治26年(1893年) 381cm×686cm シカゴフィールド自然史博物館 1893年シカゴ・コロンブス世界博覧会出品

十二羽の鷹

鈴木長吉 明治26年(1883) 高42.0cmほか 東京国立近代美術館 1893年シカゴ、コロンブス世界博覧会出品

第3章 万博の中のヨーロッパ美術

1855年から1900年にかけて5度開催されたパリ万博を中心に、万博が西洋美術の中に占めた位置に迫ります。

第一執政ナポレオン・ボナパルト

ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル 1804年 227.5cm×147.0cm リエージュ近代美術館 1855年パリ万国博覧会出品

ヴィーナスの誕生

アレクサンドル・カバネル 1863年 130cm×225cm オルセー美術館 1867年パリ万国博覧会出品

パリの寓意蔵を表した飾り皿

アルフォンス・ミュシャ 1900年 径31.0cm 堺市立文化館、大阪

関連イベント

講演会

時間 / いずれも午後1時30分~3時 場所 / 当館1階 講演会室 定員 / 120名 (当日、午後1時より先着順で整理券を配布します。)   ※ 聴講は無料ですが、本展の観覧券が必要です。

平成16年10月16日(土)

「万博と西洋美術-”文化装置”としての万国博覧会-」 講師 / 高橋明也 氏(美術史家)

平成16年10月23日(土)

「万国博覧会と工芸-東西が出会った-」 講師 / 土井久美子(当館学芸員)

平成16年10月30日(土)

「明治の七宝-二人のナミカワ-」 講師 / 小川幹生 氏(名古屋市博物館学芸員)

平成16年11月6日(土)

「宮川香山でたどる明治美術」 講師 / 伊藤嘉章 氏(東京国立博物館平常展室長)

ギャラリートーク

会場内で当館学芸員が展示作品の解説を行います。

平成16年10月9日(土)

時間 / 午後2時~ 料金 / 無料(ただし、観覧料が必要です)

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